青空にぽつんと浮かんだ雲が溶けるように壊れていくまで、じっと眺めていることがあります。
私は子供の頃、身体が弱かったせいか、布団の中から窓越しに見える雲を眺めていたことが多かったように思います。
そのせいでしょうか、今でも時折、旅先で雲をぼんやり眺める時間が好きです。
あの雲は、九州みたいな形をしているなぁ、
さっきまでユニコーンだったのに、角がとれて馬になったなぁなど、空想を繰り広げるのです。
雲は人よりも一期一会です。
ホテルの窓際、
カフェのテラス席、
公園のベンチ、
ビーチで寝転がりながら…など、
様々な場所で、一つの雲が消えていくまで眺め続けます。
同じ雲を見ていても、一つの物だけではなく、別の物に見えないかと考えることもあります。
その感覚が身体に馴染むと、普段の生活の中でも、ふと空いた時間に空を見上げることが楽しくなります。
最近、そうした時間が、脳をもみほぐし、多様性の考え方を育んでくれているような気がしています。
text:イシコ http://sekaisanpo.jp/
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