私は旅先で公衆電話を見かけると、ついついシャッターを押すことがあります。
公衆電話の風景というものが珍しくなったからなのでしょう。
世の中から消えつつある物の一つに公衆電話があります。
時代は変わっていきます。
携帯電話を持っていれば、固定電話も必要ありません。
しかし、電池が切れてしまった場合、故障してしまった場合は、
手っ取り早い連絡手段として公衆電話を使用することになります。
私は、旅先で、あえて公衆電話を使ってみることがあります。
つながらない、つまり故障中の電話もあり、
国や街によっては、使えない電話の方が多いこともあります。
だからこそ、受話器をとったとき、「プー」という音が聞こえると嬉しくなります。
小銭の種類も決まっています。
日本の公衆電話でも10円と100円だけで1円や50円などが使用できないように。
そういった一つ一つの作業を丁寧にこなして、ようやく連絡が取れると
「電話がつながる」という当たり前のことが、嬉しくなるのです。
そして、その地までインフラ、つまり電話線を繋いでくれた先人たちに感謝の気持ちが自然と湧いてきます。
少しだけ自分の心が柔らかくなった気がするのです。
text:イシコ http://sekaisanpo.jp/
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