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男性も“仕事を辞める”という選択はアリ?「男性学」から学ぶ“デキる女性”へと成長するヒント(3)

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最近では「仕事も育児も家事もこなす」女性の大変さがクローズアップされることが多い一方で、男性も「しっかり仕事するのはもちろん、家事も育児も積極的にサポートするべき」という風潮になっています。男性はもしかしたら女性と同じくらい、またはもっと“大変さ”を抱えているのかもしれません。 そんな現状について「男性学」を提唱する田中俊之さん(以下、田中先生)の言葉から、現実と折り合いをつけながらうまくやっていくにはどうしたらいいのかを知り、“デキる女性”へと成長するヒントを紐解いてみましょう。 ▲大正大学心理社会学部人間科学科 准教授・博士 田中俊之さん   第3回:「男だってつらいよ?」会社員・たろう(34歳・既婚・子どもあり)の場合 ここは、あるオフィス街にほど近い(架空の)居酒屋。男性の方が“いじられやすい”社会という田中先生とはなことの会話を隣で聞いていた既婚男性のたろうが会話に加わってきました。実は田中先生の著書の読者でもあるたろうは、仕事と家庭を両立させようとまさに奮闘中。その厳しさについて語り始めます。   ■男性だって仕事を辞めていい? 《たろう》 まず田中先生に聞きたいんですが、そもそも、どうして男性は『一生働かないといけない』んですか? 実は先生が書いた『男が働かない、いいじゃないか!』という本も読んだんですが、本当に男性が働かないってアリだと先生はお考えですか? 《田中先生》 もちろん! 男性も“働かない”という選択をしてもいいんですよ!! 私が研究している「男性学」では、男性が男性であることで抱えてしまう悩みや葛藤に着目する学問で、その考え方では専業主夫やバリバリ働く女性がいてもいいし、役割を『男女』の性別だけで分けるのは無理がある、としています。 一般的に、男性は学校を卒業したら定年までフルタイムで働くべき、家族を養えるだけの稼ぎを確保するべきだ、というルールが根強く存在していますよね。でも、「本当にそうなのだろうか?」と考えてみたことはありますか? 《たろう》 え…ないです。学校を卒業したら一生働き続けることを疑ってみたこともなかったですね。それに今は奥さんも仕事に復帰しているので、仕事と育児、家事との両立はとても大変だなと実感しています。 奥さんが育児休暇で家のことをやっていてくれた間は「思いっきり仕事ができたな」と感じていて…。今は夫婦そろっていつも疲れているし。「夫婦共働きって家族にとっていい形なのだろうか?」とさえ思うこともありますね。   ■家事育児の「分担」は実は効率が悪い? 《田中先生》 実は、分業って効率が悪いんですよ。たとえば自分に任されている8時間の仕事を「4時間+4時間で他の人と2人で分担してほしい」と言われたら逆に大変な思いをしてしまいますよね? それと同じこと。分担しないで1人でやった方が効率いい。だから、昔でいう専業主婦のように“家事をやる人”と“外に出て仕事をする人”が分かれている方が効率がいいのは当然です。 《たろう》 それ、わかります…。同僚から「もし自分が年収3000万だったら、それでも共働きする?」って聞かれたことがあるけど、正直それだけ1人で稼げたら、奥さんには家のことと育児に専念してもらえる方がうれしいのが本音だな。 《はなこ》 仕事もしながら、結婚も子育てもするとなったら、女性も男性ももっと大変になるわけですね…。みんないったい、どうやって乗り切っているんですか? 《田中先生》 我が家は妻の出産後“紙皿で食事”をするようになりました。妻が職場の人から聞いて試してみたのですが、食洗機にすら入れなくていいので。とても楽になりましたよ! ▲紙皿で食事(イメージ) 赤ちゃんは一歳くらいまでの間、夜泣きもしますし、子どもがいなかったころと同じようにはやれないことが多くなるので、そういった“割り切り”も必要だと思います。 《たろう》 うちはまだ、そこまで割り切れてはいませんが、手を抜けるところは抜きつつ、日々をなんとか乗り切っています。でも、「こんな大変な毎日がいつまで続くのだろう」と思うこともありますね…。 《田中先生》 日本人はまだ、残業することが普通、定時に帰る人の方が少数派ですから、『普通』に仕事をした上でまた『普通』に家事や育児をするのはものすごく大変なことだと思います。 我が家の“紙皿で食事”はいわゆる『普通』なことではないと思います。でも、そうやってこれまでの『当たり前』の意識を変えることも、日々を乗り切るためには大事なんじゃないかな? 《たろう》 先生、現実が厳しいものだってことはよくわかりました。そんな日々を乗り切るコツを、もっと教えてもらえませんか? <(4)へつづく>   仕事と家庭の両立は、男性も大変。女性も大変。みんな大変さを抱えています。次回は、そんな厳しい現実から上手に目をそらすコツを田中先生が教えてくれます。そして、先生オススメの“意外”なアニメも必見です。<text:Hisae.I> 注:「田中先生」の発言は田中俊之さん(大正大学心理社会学部人間科学科 准教授・博士)へのインタビューによるものです

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