海辺の近くのホテルに宿泊し、波の音に耳を澄ませながら、お茶やお酒を飲む時間が好きです。
今年の冬は雪山で無音を体験しました。漫画で「シーン」と書かれたような状態です。
冬の山には生き物が行動していることが少なく、しかも雪は音を吸収してしまうのです。
その中に音が一つ現れると、つい微笑んでしまいます。
改めて音を意識した旅でした。
普段、我々が住む世界は音であふれています。
「うるさい」と思うことも多いですが、
時に音に意識を集中すると普段、聞き取れなかった音に気付くことがあります。
自然の音もいいですが、都会の音も嫌いではありません。
カフェのテラス席に座り、その街を走る車の音やその国の言葉が飛び交う声に耳を澄ませると
生活の鼓動を感じるのです。
雑音と思われるような音の中に様々な音が飛んでいるからでしょう。
次第に様々な音を聞き取れるようになり、顔がほころんでいきます。
そうした街の音は記憶となって身体に沁みこんでいきます。
確実に。
text:イシコ http://sekaisanpo.jp/
↧