西アフリカに三週間滞在した後、ヨーロッパに立ち寄った時のことです。
ブリュッセルのウィークリーマンションに一週間ほど滞在することになりました。
オーナーの日本人の老夫婦の家へ前金を支払いに伺った際、
彼らは私が日本人ということで喜んでくださり、家の中に招き入れてくれました。
ただ、その時、奥様の目が私の足元に釘付けになったのです。
履いていたスニーカーが西アフリカの赤土で全体的に色が変わっているほど汚れていました。
毎日、履いていたので、徐々に色が変わっていくことに気づいておらず、
西アフリカでは周囲の人の靴も同様に汚れていたので気にしていなかったのでしょう。
シャツとパンツはクリーニングできれいにしてから出発したのですが、
靴だけは西アフリカの時間のままだったのです。
顔から火が出る程、恥ずかしい思いをしました。
あの日からでしょうか。
人とお目にかかる時、洋服よりも靴に目が行くようになったのは。
もちろん、ブリュッセルでは部屋に戻り、真っ先に靴を洗濯しました。
text:イシコ http://sekaisanpo.jp/
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