身体と同様に、こころもエクササイズが必要。週に1本映画を観ることで、こころの筋肉をしっかりと動かし、“きれい”を活性化しませんか? そんな“きれいになれる”映画を毎週紹介する【うるおい女子の映画鑑賞】。
第7回のテーマは「しあわせを定義する!」。
世間の”常識”や、他人から発せられる”騒音”。わかってはいても、つい、流されてしまうことがあります。そのせいで大切なことを見失い、大事な人や自分を傷つけてしまったという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
自分のこころの声を聞いて、「わたしはどうしたいのか」と常に対話をすることで、本当の気持ちが見えて、納得する答えへたどり着けるというもの。その納得とは、しあわせを自分でしっかりと定義することです。そういう人がしあわせなのだと思うのです。
そんなことに立ち戻るきっかけをくれる『JUNO/ジュノ』をご紹介します。
販売・発売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント (C)2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved. ※2015年10月31日現在
女子高生16歳のジュノは、好奇心から、同級生の気になる男子ブリーカーと1度きりの関係をもち、妊娠が発覚するところから物語は始まります。
【普通の女の子ジュノ。カルチャー女子である彼女のお部屋や、ハンバーガー型の電話がキュート!】
70年代のロックが大好きで、自分の世界をもった個性的な女の子ジュノは飄々として見えます。けれど、妊娠という大きな出来事にぶち当たり、悩み、それでもきちんと事実を受け止め、逐一自分のこころに問いかけて一歩一歩進んでいくのです。
世間の常識や周りの目に流されることなく、細く小さな体でたくましく自分なりの選択をして進む彼女の姿は、周りの家族や友人の心も動かし、大きく温かい空気に包まれていきます。
【ちょっと頼りないけれど、いい子なブリーカー。ジュノは後悔をするどころか、妊娠後もそんなブリーカーのことが好き】
何か問題が起きたときに、大人女子はついつい打算的に考えてしまいます。それは、社会のなかで生き残っていくためには、ある意味必要なスキルだと思います。
ですが、冷静に、状況、時間の経過、打算や周りの雰囲気に流されることなく、また、併発する問題をいっしょくたにしてよくわからない結論に到達する(女子にありがちですよね?)ことはなく、「どうすべきか」「どうしたいか」をしっかり考え、大切にして、それに従う道を選んでいくジュノ。彼女の姿は、たくさんのことをわたしたちに訴えかけてきます。
【親友もまた、クールにみえて実は強がっているジュノを支えてくれます】
産む、という選択をしたジュノは、おなかのこどもを愛してくれる里親を探し、子宝に恵まれないひと組の夫婦に出会います。
【高級住宅街に住む品のいい夫婦と里親の契約を交わすが・・・】
この夫婦のことが大好なジュノでしたが、ある問題が勃発しますが、そこでも、彼女は”楽な道”は選びませんし、流されることもありません。自分の”こころ”が「こっち!」と言えば、涙を流しながらもそれを大声で叫ぶのです。
【おなかのこどもとともに、ジュノも大きく成長していき、皆がしあわせに包まれていきます】
ティーンの予期せぬ妊娠と出産。ストーリーだけ聞くと、昼ドラよろしくの衝撃的なものですが、愛すべきキャラクターやセンスのいいスコア、そして骨太な脚本によって最後、大きな愛に包まれてしまうのが本作の魅力。
単館系ながら、アカデミー賞で見事脚本賞を受賞した『JUNO/ジュノ』。脚本家のディアブロ・コディはなんとこれが初脚本作品で、ストリッパーという異色の経歴の持ち主! 彼女が生み出すユニークでセンスのいい劇中のセリフは、思わず「ドキッ」とせられて魅力的です。
なんだかいろんな問題のなかにもみくちゃになって、疑心暗鬼でぐるぐると打算しまくり、鏡に映る自分の顔が怖い!なんてときに、ほっこりやさしく、素直な自分を呼び起こしてくれるような映画です。
週末の「おうちシネマ」にいかがでしょうか?
text:kanacasper(カナキャスパ)(映画・カルチャー・美容ライター/編集者)
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