こんにちは! イラストレーターの竹永絵里です。今回はちょっとマニアックな工場見学のご紹介。兵庫県にある布用印刷機のメーカー「東伸工業」さんを見学してきました。布用印刷機と聞いて、ピンとくる方いますか?あんまりいませんよねぇ~?? 実は私もその一人でした。(笑) なので少しご説明を。
布の印刷には、「捺染(なせん)」や「インクジェットプリント」などの技術があります。
「捺染(なせん)」は布用の染料を使って染めること、「インクジェットプリント」は家庭用プリンターと同じイメージで、データを元に布専門のプリンターを使って布に印刷していく、という方法です。
お邪魔した東伸工業さんは機械メーカーさんなので、「捺染(なせん)」や「インクジェットプリント」の技術を再現できる機械を作られており、それと同時にインクジェットプリントの印刷も請け負っています。
ちなみに、なんと、フランスの某有名ブランド(そう、あの憧れブランドです)のスカーフも、東伸工業さんの機械を使って印刷されているそうですよ!!
そこで今回は「インクジェットプリント」の工程を見学! 実は先日、私が自分のイラストをハンカチにしたくて、東伸工業さんに依頼したところでもあったのです~
東伸工業さんの工場は兵庫県。甲子園口から車で10分ほどのところにあります。
こちらが入口~。工場見学って大人になってもワクワクしますね!(笑)
工場ご紹介の前に、布用インクジェットプリントの工程についてちょっと説明。
布への印刷は以下の工程を経て完成となります。
前処理→印刷→乾燥→蒸し→水洗い→整理→検反→出荷
ただ印刷するだけではなく、たくさんの工程を経て仕上がっているのです!
それでは、お待ちかねの工場内部をご紹介。これが布用のインクジェットプリントの機械です!
どどーん!とにかく大きくてビックリ。布幅はだいたい1m以上ありますから、よく考えたら大きくて当たり前ですね。(笑)
この機械1つで、前処理、印刷、乾燥、巻きを行っています。
もう少し近くで見るとこんな感じ。こちらは前処理の工程。まだ印刷されていない真っ白な布がセットされています。
前処理から印刷までの時間が不均一だと、色の再現性に差が出てしまうそうですが、こちらの機械はその時間が均一。なのでどんなに長い布を印刷しても初めと終わりで色の差が出ないんですって!
続いてこちらは印刷の工程!
大きな機械がガシャンガシャンと音をたてて、真っ白い布に絵柄が印刷されていく様子は圧巻!! どんどん柄が印刷されていきます。
印刷、乾燥を経た布は、次なる機械「蒸し器」へ。
こちらの機械で蒸されます!これまた大きい〜! 右側の大きな箱の中で蒸されます。
印刷が終わった布は、その日の間に蒸し器にかけられます。印刷から時間を空けて蒸してしまうと色が変わってしまうそう。スピーディさが大事!
蒸された布は、水洗い、検反、そしていよいよ出荷となります。
そんな工程を経て出来上がった布はこんな感じ!私のイラストハンカチです。
原画の色味もしっかり再現され、大変満足な仕上がり!
布のインクジェットプリントは今でこそだいぶ知られるようになりましたが、3年前くらいからようやく世の中に認知されるようになったとのこと。まだまだ新しい技術なのです!
これからますます需要が広がるであろう布用インクジェットプリント。皆さんも知らずにインクジェットプリントの製品を手にしているかもしれませんね。もしご自身で「布に印刷を頼んでみたい!」という場合はチャレンジしてみても楽しそう♪
ぜひ、みなさんも布のインクジェットプリントの世界を楽しんでみてください!
取材協力:東伸工業 インクジェットプリント事業部
text:竹永絵里
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