身体と同様に、こころもエクササイズが必要。週に1本映画を観ることで、こころの筋肉をしっかりと動かし、”きれい”を活性化しませんか? そんな”きれいになれる”映画を毎週紹介する【うるおい女子の映画鑑賞】。
第26回は、30前後にほとんどの女性が味わうであろう“どん底期”について『29歳からの恋とセックス』を観て、振り返ったり、備えたりしたいと思います。
『29歳からの恋とセックス』ブルーレイ発売中 ¥1,905+税 発売・販売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント (C)2013 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved. ※2016年5月14日現在
主人公は29歳のローラ。30歳を手前に恋人からプロポーズをされてまさに幸せに絶頂!
【こんなにイケメンの彼氏と20代で結婚!勝ち組でしかない!】
有頂天のローラでしたが、それもつかの間、一気に絶望の淵へと突き落とされます。なんと婚約者が結婚に怖気づき「婚約を解消したい」と言い出したのです。
【この後彼女を絵に描いたような転落が彼女を待っている・・・】
この後のローラは、絵に描いたように絶望しますが、再生しようと前向き動き出します。ところがそれも上手くいかず自暴自棄、派手に迷走し始めてしまいます。ヤケ食い、ヤケ酒、セラピー通い、寂しさを埋めるだけの相手を求めるといった王道コースを突き進み、ついには元カレの親友と寝るというところまで落ちてしまいます。
29歳から30歳になるということは、女性にとっては人生で最初に年齢という壁にシリアスにぶち当たる出来事だと思います。20代前半ほどもてなくなってきたり、若さだけでは乗り切れなくなってきたり、かといって誇れるキャリアがあるわけでもなく・・・。
そんなセンシティブな時期に、婚約破棄という絶望を味わうということは、この過酷な時期を味わったことのある女性であれば、それがどれだけ辛いことか容易に想像できると思います。
【辛いときこそ周りの優しさが身にしみたり、逆に偽者の優しさには敏感になり虚しくなったり】
両親や友人に恵まれたローラはやがて、どん底でむき出しのボロボロのこころだからこそ、彼らの愛を深く感じ進んでいきます。
この映画でローラは、一連のかなりイタい自暴自棄を通過儀礼のようにきちんとこなします。その姿はとてもリアルで、とても共感できるものです(男性はひいちゃうかも)。そして、この時期を経験したことのある女性は「わたしにもこんな時期があったな」と当時の自分がとても愛おしく思えるはず。同時に、今の成長も感じられることと思います。また、30歳前の女性はいつか必ず訪れるこの時期への心構えができるはず!
【どん底のローラのまえに突如、元婚約者があらわれ・・・】
婚約破棄は極端な例だとしても、少なからずの闇に包まれるであろう29歳。だけど、この時期をローラのようにしっかり味わい、自分と嫌というほど向き合うことで、楽しい30代が待っているはず!と、最後にはポジティブな気持ちにさせてくれる1本です。
今週末、おうちシネマにいかがですか?
text:kanacasper(カナキャスパ)(映画・カルチャー・美容ライター/編集者)
↧